2010年12月11日土曜日

中国、インフレが止まらない

中国国家統計局が11日発表した11月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.1%上昇した。伸び率は2008年7月の6.3%以来、 2年4カ月ぶりの高水準。金融緩和でだぶついた資金が農産品取引などに流れ込み、物価全体を押し上げた。中国人民銀行(中央銀行)はインフレへの警戒を強めており、市場では追加利上げ時期を巡る観測が広がっている。
中国政府は今年のCPI上昇率を3%に抑える目標を掲げているが、7月から5カ月連続でこの水準を超えた。11月のCPIが5%を超えたことで、年間目標の達成は難しい情勢になっている。
上昇率を品目別にみると、食品が11.7%(10月は10.1%)だったのに対し、非食品は1.9%(同1.6%)にとどまった。天候不順 や燃料費上昇で野菜や穀物の価格が上がり、一部の品目には世界的な金融緩和で膨らんだ投機資金も流れ込んだ。CPI構成品目の約3分の1を占める食品類の 値上がりが全体の上昇につながる構図だ。
CPIと同時に発表した11月の工業品出荷価格(卸売物価)指数は前年同月比6.1%上昇した。伸び率は10月の5.0%を大きく上回った。
中国共産党は今月3日の政治局会議で今後の金融政策について、危機対応の緩和路線を2年ぶりに終了し、引き締め方向にカジを切ること決めた。人民銀は10日、この1カ月間で3回目となる預金準備率の引き上げを発表。当面は預金準備率の引き上げを通じて過剰流動性の吸収を急ぐ方針とみられるが、市場では「物価上昇に歯止めがかからなければ、10月に続く利上げに踏み切る」との観測が強まっている。(日経電子版)

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