2010年9月18日土曜日

日銀、当座預金20兆円台へ

金 融機関の手元資金量を示す日銀当座預金残高が増加傾向となっている。もともと日銀は資金需要が増しやすい9月中間期末に向けて供給を増やすとみられてい た。今週に入って政府・日銀が外国為替市場で円売り介入を実施。日銀は介入で放出した円資金を市場に放置する「非不胎化」を行い、日銀当座預金の増加に拍 車がかかっている。
17日時点の日銀当座預金残高の速報値は17兆1300億円。週明け21日には一段と増え、19兆4000億円程度になる見通し。「20兆円に乗せるのは時間の問題」(短資会社)との見方もある。2009年の9月中間期末の残高は17兆5500億円だった。
非不胎化を行うことで、今後も政府・日銀が介入すればするほど市場の資金は膨らむことになる。日銀は政策金利である無担保コール翌日物金利 を0.1%に誘導することを金融調節方針としているが、介入によって想定以上に市場に資金があふれれば金利は下振れしやすくなる。17日の短期金融市場で 無担保コール翌日物金利は既に0.086%となり、0.1%を下回っている。
市場では「日銀は資金供給オペ(公開市場操作)を減らして、介入資金流入による当座預金の増加を緩やかにする」とみられている。ただ、国債 や国庫短期証券の在庫を多く抱える一部証券会社などは、日銀のオペを資金調達手段として頼っている。このため「オペ実施が減れば、市場では資金偏在が起き やすくなる」(セントラル短資の金武審祐氏)ともいう。
また、「政府から金融緩和圧力がかかるなかで露骨に供給オペは減らしにくい。日銀は難しい調節をせまられる」(東短リサーチの寺田寿明氏)との指摘もある。(日経電子版)

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