2011年1月4日火曜日

中国の外貨準備と外貨管理

今月中旬に昨年12月末の数字が発表となるが、中国人民銀行のHPにある統計を見ると、昨年9月末外貨準備高は、言わずと知れたダントツ世界一の水準で、しかも3カ月で大幅に増加している。これは中国当局が為替市場で元売り・ドル買い介入を相当量を積極的に実施したことによる。四半期ベースでの増加額としては過去最高。外貨準備の積み上がりは、中国政府が為替市場で人民元の変動を制限している政策を示す主要な公式データのひとつ。エコノミストらは、同国は6月に人民元の 柔軟性を高めると確約しており、第3四半期の外貨準備高の急増は為替市場には引き続き人民元に対する上昇圧力があるとともに、同国中央銀行が継続してこう した圧力に抵抗していることを示している。

2009年12月末 US$2,399 Billion
2010年03月末  US$2,447 Billion
2010年06月末  US$2,454 Billion
2010年09月末  US$2,648 Billion

では、具体的に中国政府はどのように外貨管理を実施しているのだろうか?国外への外貨流失について、次の掲げる内容について、事前に外貨管理局又は指定銀行での審査が必要としている。

① 輸入に関し、契約総額の15%を超える、又は超えないが10万米ドル相当額を超える前払い代金決済。
② 輸出に関し、契約総額の2%を超えるコミッション両又は2%を超えないがコミッション量が1万米ドルを超えるコミッションの支払。
③ 中継貿易に関する前払代金の支払。
④ 外債利息の返済。
⑤ 1万米ドルを超える外貨の引き出し。

サービス貿易については、3万ドル以下に制限。ロイヤリティ送金も原則認められず(売上の1%以下は許容)、配当に至っては配当原資が確実であることを政府に認めさせる必要がある。資本取引についても、予め外債登記をする必要があり、あらゆる蛇口がきっちりと締められているという現状だ。

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