2010年10月13日水曜日

日銀の狙いは株式のリスク・プレミアム低下?

株式のリスク・プレミアムは、投資家が株式投資のリスクの対価として要求するもので、プレミアムが高くなるほど株 価水準は低くなる。東証1部の予想益利回り(純利益の合計を時価総額で割って算出)から、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りを引いた「イール ド・スプレッド」で代用すると、直近は5.3%程度で推移する。米リーマン・ブラザーズの破綻で極端にリスク回避姿勢が強まった時期を除けば、2000年 以降の最高水準にある。
  日銀によるETFの買い取りについては、日銀のバランスシートへの影響を含めて賛否両論あるが「流動性・需給要因などで市場が機能不全な場合は正当化され る」(みずほ証券の北岡智哉シニアストラテジスト)との指摘が多い。日本株のリスク・プレミアムは01年以降の日銀の量的緩和期にもここまで上昇したこと はなく、何らかの機能不全を抱えていると白川方明総裁の目に映っても不思議ではない。
 リスク・プレミア ムの上昇は、株式や不動産などのリスク資産に投資する主体が国内にいなくなっているためだ。日興コーディアル証券の末沢豪謙・金融市場調査部長は「日本で はマネーを供給してもリスクの取り手が少なく、投資家のアニマル・スピリットがほとんど失われてしまっている。日銀が直接リスクマネーを市場に供給する意 義は大きい」という。(日経ヴェリタスより)

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