2011年4月11日月曜日

原発による東電の財務的影響(国民負担)について

昨日付け日経ヴェリタスに、掲題に関する市場の見方が掲載された。影響度合いは以下の諸点に集約されている。(本日付け時価総額6700億円、有利子負債9兆円、現預金3600億円。前期EBITDA1兆円)

① 損傷した福島第一原発の設備の除却損や廃炉に伴う費用     ▼6500億円-1兆円
② 原子力を火力発電で代替することによる燃料費などの増加分   ▼4600-6000億円
③ 原発被害に対する損害賠償                       ▼2兆7000億円-48兆円
(但し、原子力損害賠償法による国に保障は1200億円まで)

この他、以下も考慮する必要があろう。
④ 計画停電等による収入減  (前期電力事業売上が4.7兆円だったので、10%減で▼4700億円目減りする。燃料費アップと収入源で数年先までキャッシュフローはすべて吹っ飛ぶ―>東電の企業価値は当面ないし=有利子負債も全額回収不能と言えよう)

既に今月1日にS&Pは社債格付けはトリプルBプラスにダウングレードしているが、政府の支援がなければ投資不適格が妥当としている。要すれば政府支援がなければ東電は立ち行かない。破綻は時間の問題と言えよう。債権者をどの程度守るのか、国民にいくらつけを回す(補償国債発行する)のか、政府の判断に注目が集まる。もし後者を選んだ場合には、日本自体の財政破綻までの道のりが急に間近になったと言えよう。

個人的には、法的破綻にするに際して、スポンサー募集は原発と配電プラットフォームのみを国有化し、残りの設備・人的資源については外資を含めた民間企業に自由競争のなかで選ぶべきで、それも首都圏については、複数社のスポンサーに落札させてはどうだろうか。電力利用者が複数の選択肢から電力会社を選べるようにしてはどうか。 これは一つの提案である。

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