2011年3月15日火曜日

東電の電力事情

昨日からの計画停電と原子炉溶解で大騒ぎとなっているが、これは短期間で落ち着くことなのか、検証してみる。東京電力のHPを参考にした。

http://www.tepco.co.jp/corporateinfo/company/annai/shiryou/report/suuhyou/index-j.html

平成20・21年の最大電力(発電端1日最大)は5500-6100万KWとなっている。季節的には1-3月と7-8月がピークの時期になっている。一昨日の官房長官からの説明では需要は4000万KWとの説明があった。

一方、供給面では全供給可能出力が東京電力分だけで6400万KWとなっているが、そのうち原子力発電は福島と柏崎刈羽も二か所のみで全体の27%を占めている。今回溶解した福島第一の1から4号機合計で360万KW、ワーストシナリオで福島第一・第二すべて再開できなくなったとして、900万KWの減少となる。中越地震で停止していた柏崎刈羽が本年3月9日に全号の運転を再開したばかりだが、最大800万KWの余裕がある。 これだけ考えても、福島の分を柏崎刈羽でカバーできるわけだが、一昨日の官房長官からの説明では供給は3000万KWとの説明があった(従って、電力不足が1000万KWとなることから計画停電を行うに至るとの説明)。

簡単に考えれば、福島以外の稼働率を上げれば、福島分をカバーできるのではないかと思うが、そのような対策を取らずに、日本経済回復の腰を折るような「計画節電」を行っているのはどうしてだろうか?大変不思議ことが起こっている。楽観的に考えれば、何らかの事情で4月末まで「計画停電」を行わなくてはいけない事象がおこっているおり、それが解決すれば正常に戻るのかもしれない。

穿った見方をすれば、柏崎刈羽まで止めなくてはいけないほどの原発事故が福島で起こってしまうことも想定して、今から「計画停電」を行っているのか?原子力なしで考えれば4700万KW弱で、中東情勢から原油も値上がりしており、その90%を中東に頼っている日本としてはエネルギー行政にメスが入れられることを恐れての対策か、それにしても意味が分からず、頭の中が混乱するばかりだ。


以下は後日報道(3月18日付け)によると、
3月22日までに、定期検査で止まっている五井火力発電所2号機(26.5万キロワット、LNG、千葉県市原市)を検査期間を短縮して起動。IPPからの買い受けも20万キロワット増やし、供給力を3400万キロワット程度に増やす。
 さらに3月末までに、東扇島(LNG)、鹿島(重油・原油)、袖ケ浦(LNG)、品川(都市ガス)の各火力発電所の一部発電機を立ち上げ、合計250万キロワットを確保。4月前半には300万キロワット積み増し、供給力を4千万キロワット程度に引き上げる計画だ。 

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