2010年12月4日土曜日

中国、金融緩和政策の転換発表

中国共産党は3日、2011年の金融政策について約2年ぶりに緩和路線を転換し、引き締め方向に軸足を置くことを決めた。インフレや不動産バブルの懸念を抑えるのが狙いだ。中国人民銀行(中央銀行)は追加の利上げなど具体策の検討を急ぐ。景気を下支えする手段として積極財政の構えは保つ。
共産党は胡錦濤総書記(国家主席)が主宰した同日の政治局会議で、金融政策の基本方針を巡り10年までの「適度に緩和的」としてきた路線か ら、中立に近い「穏健」に変えることを決めた。党と政府は近く合同で年に1度の「中央経済工作会議」を開き、今回の方針を正式決定する。
中国の実質成長率は今年1~9月に前年同期比10.6%に達した。年間目標の8%を大幅に上回り、過熱感も出ている。当局は金融緩和の終了も踏まえ来年は2ケタ成長から一定の減速を容認する姿勢とみられる。
党の政治局会議は08年秋から掲げる「積極的な財政政策」を続ける方針も決めた。金融政策は危機対応から平時の措置に戻す「出口戦略」を進める半面、財政出動で景気をいつでも刺激できる道を残しておく。開発が遅れる内陸部への投資拡大も意識している。
中国では物価や不動産価格の上昇が目立つ。10月の消費者物価指数は前年同月比4.4%上昇。約2年ぶりの大きさとなった伸び率は政府が警戒ラインとみる3%を大幅に超す。生活に直結する農産品や燃料の値上がりが特に激しく、国民の不満は蓄積しつつある。(日経電子版)

0 件のコメント:

コメントを投稿